詩人大岡信さんの本「抽象絵画への招待」を読んだ。1985年発行の新書。
抽象絵画とは何かということがとっても分かり易く書かれている。
人によって描き方、捉え方はそれぞれなので、一言でこうとは言えないけれど
私の描いている絵はどの辺りに近いんだろうというのが分かって、すっきり。
“世界に対する詩的直観を造形行為によって語る「別の言語」なのだ”
という一文に激しく同意しつつ、著者の最後の言葉がとても響く。
“絵画は、とくに抽象絵画は、いわゆる言葉になりきらない部分をたくさん含んでいる人間の生産品である。それだけに、絵画を見て考え、また絵画を作り出す人の心的機構や世界観について考えることは、少なくとも私自身に関していえば、言葉にならないものに言葉を与えようとする激しい一種の擾乱が自分の内部に湧きおこることを意味していたように思われる。それは、私にとっては、単に絵を目で見ることにとどまらず、ある時期を絵とともに生きるという、他のやり方ではなかなか得られない種類の、特別な充実感の源泉でもある事柄にほかならなかった。”
こんな風に思ってもらえたら本望だろうなぁと思う。

紹介されてるヴォルスという画家が気になった。知らなかった。。。
Comentários