荒川洋治著『詩とことば』を読んだ。その中でKさんという70代の詩人についての描写が心に響く。
"そのそっけなさは詩にかかわる人のものなのかもしれないと、ぼくは思った。詩にかかわる人は、どんな詩も、詩を書くことも、詩にまつわるものすべてが物陰に置かれたまま、きれいさっぱりとその物陰に消えることを知っているので、ふだんからことばをもたないのだ。ことばを残さない様に過ごす。ほんとうはそれだけではないのに、ついことばが、そのようなものになってしまうのだ。また詩の話はどこまでしたらいいのかわからないところもあるので、話さないことを選んでしまうのだ。
このままだと、話すことがなくなるかもしれない。でもそうすることで、詩というものがどんなものであるかが伝えられていくかもしれない。"
ことばを残さない様に過ごす、、、話さないことで伝わるもの、、、。
咲かけのヒヤシンスを見ながら考える。
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