春らしいやわらかな日差しの中、久しぶりに石山寺を訪れた。
瀬田川を望む小高い山に小さな御堂が点在し、修行の場というよりなんとも風雅な印象の寺院。梅の満開の時期は少し過ぎていたけれどまだまだ美しかった。 家に帰りパラパラと漢詩の本を眺めていると一編の詩が目に止まる。 緑樹交加山鳥啼 (新緑あざやかな木々は枝を茂らせ、山の鳥はさえずり、) 晴風蕩漾落花飛 (うららかな春風が漂い、花びらが舞落ちる。) 鳥歌花舞太守酔 (小鳥は歌い、花びらは舞い、そして太守は酔って夢心地。) 明日酒醒春己帰 (明くる日、酔いから醒めた頃には、春もどこかへ姿を消していることだろう。) 北宋の欧陽脩という方の七言絶句。(1047年頃の作) 境内を散策しながら感じた時の流れを感じさせる。ような。 1000年後の日本でこの様に受け取る人がいると想像したのかしらと思いつつ、頭の中でさっき見た石山寺の景色がなぜか中国の山水画になっていた。不思議。
梅の香りも。
多宝塔。大日如来の安置された内部も建立当時そのままなのか素敵です。
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